福澤さんの悩みを共有してみよう

いろんな人に悩みをうちあけたら、「それは誰でも同じことだ」という旨を言われることが非常に多いなと思いました(なんかあまり親切じゃないですよね)。それならば、悩みを共有できる場を作って、少しでも多くの人が見せかけでも安心が得られるように、とブログを作ることにしました。

独身は罪とみなされ逮捕される世界の話

昨日映画をみたんだよ。
友達が手紙をくれたのですが、その中に、観た映画の話が書いてありました。
その感想を読んで、とてもおもしろそうだなと思ったのと、人が言及していたものはできるだけ触れるようにしたいので、「観てみよう」と手紙をもらった次の日に、上映してる映画館を調べてみたら、「本日終演」って書いてたのよ。
「え!じゃあ今日すぐ行くしかない」ってなって、夜にいそいそと映画館にいったよ。

観た作品はこれです↓「ロブスター」

www.finefilms.co.jp


「娯楽映画じゃないと観るのしんどい」って人にはおすすめしないけれども、私は観てよかったと思う。

あらすじは公式サイトにも書いてるんだけれども、始まりを説明するね。

独身者がつかまえられて、45日間婚活ホテルで婚活させられる、っていう世界の話だよ。
で、45日経過してもパートナーが見つからなかったら、自分があらかじめ決めた動物にさせられるの。
ホテルで生活してると定期的に狩りの時間があって、森に隠れ住んでる独身者を仕留めにいくんだよ。
仕留めた人数によって、ホテル滞在可能日数が増えるの。
そういう始まり。
この映画の中の世界観は、いろんな面において極端だったり、ゆがんだりしているから、あらすじ読んでも、実際に作品をみたら、あらすじとは違った印象を受けると思うよ。
雰囲気に既視感を感じたんだけれども、あとでよくよく考えてみたら、「世にも奇妙な物語」に雰囲気や世界観がとてもよく似てるなあって感じたよ。

 

大きく分けて二つのコミュニティが存在してるんだ。
「結婚してないとひどい仕打ち受ける」世界と、あと、森にひそかに存在している「ずっとひとりでいなきゃダメで恋愛したらひどい仕打ち受ける」森の世界。
外においても、内部においても、二者択一、白か黒のみ。
中間の思想は許さないし、必ずどっちかひとつしかありえない。そして、同調するなら徹底的に同調しないと、やっぱり殺される。
とにかく、ストーリー内のありとあらゆる場面において、両極端な思考しかもてない人々で埋め尽くされてるから変な感じなの。
私はそういう、はっきりしてるの好きだけれども、それでもやっぱり、この奇妙で異常な世界と、そこに暮らす人々の価値観にはとてつもない違和感を覚えて、「この世界に投入されたら絶対に暮らしていけない」ってすぐに感じてしまったねえ。

 

あと、この世界の人たちは、恋に落ちてパートナーになるときは、なぜか必ず、「身体的特徴の共通点のみ」で決まっていくんだよね。
中身とか性格とかみてないし、顔が美しいか醜いか、っていうところもみてない。
「片足が不自由」だの、「鼻血が出やすい」だの、「近視持ちだの」だの、あと、(身体のことじゃないかもだけど)「感情を表に出さない」だの。
ふたりがそういう身体的な共通点を見つけると、なぜか結婚に踏み出そうと加速する。
で、そういう共通点が実は虚像だったとわかることがあれば、一気に関係が崩壊して、殺し合いが始まる。
ふつう、顔とか性格とかみるもんじゃないの?っていうツッコミが出そうになるけれども、このくらいでいちいちツッコミいれてたらこの映画最後まで観終わらない。
そのくらい不条理とかシュールなところがあちこちにあるの(本当はそういうところで大声出して笑わなきゃいけなかった気がする、この映画のコメディ要素だったんじゃないか?)。

 

私は独身だから、この映画の中に投入されたら、あのホテルに収容されてしまうね。
そしたらどうするんだろう。
狩りで独身者撃って、いたずらに滞在期間伸ばして適当にホテルで一生暮らすのかな。
それとも早々にあきらめて、動物になってしまうのかな。
森の厳格な独身コミュニティもいやだし、誰かと偽装結婚でもして町で適当に暮らすのかな。
わからないけど、そのあたりだろうね。
普通に結婚して、何も不自由なく幸せに暮らしました、っていうのだけはなさそう。

 

結論:手紙をありがとう、いい作品に出会えてよかったです。

鑑賞メーターに短文の感想も書きました。